26歳の老後/komasen333
 



絡みつく糸が意図へと変わる朝に絞り出した最後の誠意



あの頃の自分と語る糸電話から零れてく無色の琥珀



社会人一年目の友が語り出す社会の壁の高さと深さ



入るなりずらっと並ぶ面接官その背景でゆれるプラタナス



盛大な空振りをして幕閉じた夏は今でも永遠の夏



この胸に迫る色彩しっかりと一色一色なつかせてゆく



翌朝の新聞開き探したがあの殺人もミジンコレベル



差し出した右手にスッと滑り込むポケットティッシュに残るぬくもり



駅前に先月できたパン屋
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