あの頃/
朧月
別に と
どっちでも
とだけ言っていた頃は
どこからみても子供だったけど
今よりずっとなんでも見えていた
待ちの姿勢のまま
何時間でも耐えることができていた
ともだちという言葉で
ささくれだったシンケイを
互いにこすりあう
そんな学校にいた
家庭にいた
それがすべての世界だった
今それらから解放されて
手にとるものを選べるようになったけど
ただ
あたえられたものに耐えていた
あの頃の方が
ずっとずっと可能性があったように
思えてならない
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