影と鮭/
はるな
わたしがわたしに出会う前
わたしは静かに息をして
あなたの世界の音を待つ
あなたの影が煮詰まって
匂いたつ夜をひと匙掬い
かわいた瓶に蓋をする
あなたは馬鹿な鮭みたく
わすれた影に帰郷する
縦と横とをかきわけて
あなたがあなたを知る夜に
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