幼馴染/ただのみきや
冬は突き放すような抱擁
軽くドレスの裾を振るだけで
白い吹雪が真昼を閉じ込める
冬は火傷するほど冷たいキス
サイドミラーの氷を指先で落とすと
風の中 君の声が聞こえてきた
子どものころは本当によく一緒に遊んだものだ
友達がいなかったわけでもないのに
記憶に残っているのは不思議と一人
あれは4歳の頃だったか
小さな雪玉を転がして だんだん大きくなって
やがてどんなに力を込めても動かないほどになり
たった一人グラウンドの真ん中に立っていた
その時 吹雪に全ての感覚が包まれて
君を感じたのだ
頬は真っ赤に焼けて
足の指はしもやけになって猛烈に痒かった
それでも飽
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