あずきの恋人 (連載?)/たま
な声がして、おかあさんが静かにドアをあけた。
「やぁ、いらっっしゃい。暑かったでしょう。さぁ、こちらの席にどうぞ。」
ちょっと、せまい部屋だったけれどクーラーがよく効いていてとても涼しかった。部屋の中央には会議用の机が四つ、田の字に並んで、知らないおばさんがひとり、机のうえに新聞紙をひろげて、そのうえに画用紙をおいて絵を描いていた。
おかあさんとわたしはそのおばさんのよこに並んですわった。わたしがおばさんのとなりだった。
「井上あずきさんと、おかあさんですね。」
「はい、井上です。よろしくおねがいします。」
このひとが先生なんだろうか?
あれ……? なんだか、イチローに似て
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