膳/
千波 一也
お品書きに
あなたの名があった
あなただけが
それを知らずにいた
もしかしたら
わたしの名も同じように
あったかも知れない
あなたはそれを
思案していたかも知れない
だからわたしは
なんにも言わなかった
あなたも
わたしの名を
口には出さなかった
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