月の嗤うさき ー第二稿 /……とある蛙
異様な振動を部屋の中に持ち込む
全ての言葉は何の目的で語られているのか
不明だ
類人猿は苛立ちを覚えながら、
剥き出しにした牙をこちらに向けて
そして、脳髄に直接語りかける
ここまで来たのだ
イザナミ
ボツボツ類人猿は言いたいことを語り始めた。
俺は恥かきっ子だ。
類人猿の声が遠く谺する。
2
突然暗転したさきは森の中
類人猿の恥かきっ子を眺めている。
何処なのか何時なのかも分からない
何故、恥かきっ子を眺めているのか
どこから眺めているのかも分からない。
森の中で両腕をついて屈んでいる恥
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