1/佐藤伊織
 
結局
いきるためには
ばかみたいにうすっぺらい
「わたし」みたいな
大文字のわたしが
元気よく
ポジティブに
泣きたいときはなき
喜ぶときは喜び
共に生き
ときには哀しみ
そうした人生に
おおきく「YES」とうなづいて
死んでいく

そのとき
わたしという感情そのものが
死ぬのである

いや
すでに
死んでいたのだ


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