静寂は長い叫びと似ている/ホロウ・シカエルボク
名前のない草むらで腐肉をわずかに残した崩れた骨格になった
もとは誰かの所有物だったシェットランドシープドッグの
土塊に染み込んでいったバクテリヤと同数の言葉たち
一二月に梅雨みたいな臭いをさせながらもうすっかり…
下手な塗装のように薄雲がかかる空からは
ヘリコプターの羽音だけがダラダラダラダラ落ちてきて
延髄のあたりをガツガツ小突いて疲弊した身体を苛立たせる
海の近くの管理されてる河の中央には場違いな小島があり
濁った声で鳴く鳥たちが集まって騒いでいる
冬はいつもそっちの方からやって来る
ガソリンスタンドのあたりの歩道の混雑とヒット・ソング
どこかで聞いた
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)