【批評祭参加作品】おーい、そろもん!/佐々宝砂
口調のものと、いやににシビアなものとが入り交じっている。ふざけた口調にみえて実はシリアスな内容のものもある。それは書き手のそのときの気分による違いかもしれないし、あるいは計算づくのものなのかもしれない。詩の表面的題材は、日常生活的なことから、ドラゴンや呪文のようなRPG的またはファンタジックなものごと、さらには詩の定義のような抽象的なものにまで及ぶ。これらを総まとめして「そろもん」とくくっている作者の狙いはどこにあるのだろうか? そもそも「そろもん」とは何者か? もちろんそんなことまるで知らなくても、詩を読むことはできる。しかし私は、一応自分の知っていることだけでも書いておきたい。非常にどうでもい
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