じぶんとなにかの境界線/miruki
レースのカーテンを
くるっと頭に巻いて
わたしは花嫁さん
バラの模様のテーブルクロスを
ふわりと羽織ると
わたしはお姫さま
お手伝いようのほうきに
さっとまたがると
わたしは魔法使いのおばあさん
わたしはまだ幼いから
何にでもなれちゃうの
甘い匂いに誘われて踊れば
わたしはちょうちょ
野原にちょこんとしゃがんで
わたしはお花
芝生の上をたーっと走って
わたしは風
幼いわたしはまだ
なにものでもないから
いつだってすぐに
何にでもなれちゃうの
幼いわたしはまだ
誰も何も決め付けないから
いつだってすぐに
なりたいものになれちゃうの
じぶんとなにかの境界線
そんなものどこにもないから
じぶんがなりたいものに
からだいっぱい
こころいっぱい
なっちゃえばいい
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