中村勘三郎を思い浮かべる/吉岡ペペロ
 
中村勘三郎が死んだ

勘九郎のイメージがぼくには強かった

ハッと驚いたようなとぼけたような目と口を思い出す

そばにいると誰もが惹かれた男ぶり、人間ぶりだったと言う

ぼくがそうなるにはなにが多くてなにが足りないのだろう

中村勘三郎の人格を思い浮かべる

それは理性では掴まえられなかった

感じることでしか思い浮かべることが出来なかった






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