『目指すもの』/あおい満月
 
せることばがある

わたしはそのことばの呼吸が
あなたの心臓から欲しい

刺せるものなら、
刺してみろ

その声のなかにわたしはいない
わたしはそれが悔しくて
何度もナイフで殴りつける 何度も、何度も

殴りつけたのは
あなたではない

わたしの心臓だった


どんなに血を流しても
まだ壁には届かない

今にも崩壊しそうなのに
わたしはなぜ、
あの壁が赦せないのか

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