一夜が捧ぐ/itsuki
わたしのことを、稲妻かなにかだと思っていて、わたしの中に、勝手に火薬をつめて、夜に透けるくらい透明にしたりもした。愛憎はすべておしえられたもので、すべてあなたに向かうよう設計されている。
ながい夜にいつもこころはゆれる。一晩だけのゆるしや慰めを、わかりきった口実に求めて、叱られる出来事を、ひとつずつ着実に増やしていく。「それではおめにかかるまで」、罪と鍵の重さに目を落として、さがしまわって、砂利を蹴った、波も、坂道も、あの轍の上も。
銀色の車内がいつもわたしを連れ去った。
救われない救いようのない退廃に身を絡めて幸福を同等にして貶めて奪って、あなたの細いからだと、目
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