カステラ嫌い/吉岡ペペロ
 
卵をわざとらしくさせたようなカステラ

あの甘さに真実などない

甘さは真実を同じ味にかえてしまう

そう決めつけてみたところで

悲しみはなにもかわらない

かわらないと決めつけてみたところで

カステラが卵をわざとらしくさせたような

うそくさい甘さであることもかわらないのだ


朝日が木々からのぞいていた

そのひかりにしばらく救われていた

悲しいとはこんな音楽だった


卵をわざとらしくさせたようなカステラ

あの甘さに真実などない

甘さは真実を同じ味にかえてしまう

そう決めつけてみたところで

悲しみはなにもかわらない

かわらないと決めつけてみたところで

カステラが卵をわざとらしくさせたような

うそくさい甘さであることもかわらないのだ







戻る   Point(1)