カステラ嫌い/吉岡ペペロ
卵をわざとらしくさせたようなカステラ
あの甘さに真実などない
甘さは真実を同じ味にかえてしまう
そう決めつけてみたところで
悲しみはなにもかわらない
かわらないと決めつけてみたところで
カステラが卵をわざとらしくさせたような
うそくさい甘さであることもかわらないのだ
朝日が木々からのぞいていた
そのひかりにしばらく救われていた
悲しいとはこんな音楽だった
卵をわざとらしくさせたようなカステラ
あの甘さに真実などない
甘さは真実を同じ味にかえてしまう
そう決めつけてみたところで
悲しみはなにもかわらない
かわらないと決めつけてみたところで
カステラが卵をわざとらしくさせたような
うそくさい甘さであることもかわらないのだ
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