冬/葉leaf
 
と地理が欠けていた
俺は愛に差し出す肥料を知らず
愛を枯らせてしまった
涙は無限遠まで駈けていき
再び戻ってきて俺の脳を巡った

いくつもの壁が倒れたあと
愛は俺の中に芽生えた
そして俺の体の隅々にまで根を張り
俺は俺を愛するようになった
愛されたかったと
確かに愛されたかったと
そのような過去に一瞥くれてやり
そのような過去の集積を書庫にしまい込み
ただ一言
俺には愛される資格があると


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