存在と錯誤/ただのみきや
友よ 教えてくれ
いったい何処へ行くのだろう
君とは長い付き合いだ
離れてはいても仲間たちと繋がり合っていた
私は決して孤独ではなかったが
すぐ側にいた君と親しくなるのに時間はかからなかった
柵を隔てて君は公園 私は歩道に立っていた
来る日も来る日も 人や車 鳥や雲 全てのものが
時の流れに押し流されて目まぐるしく動いては消えて行く
ただ私たちだけが同じ場所に立ったまま
互いの影がぐるりと地上を巡るのを
のんびりと語らいながら見送ったものだ
私たちはあれこれと話をしたね
二人は似てはいても明らかに違っていた
君には枝があり季節に応じて葉の色が変わったり落ちたりま
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