つながりはじめる/
はるな
だれのための人生でもなかったはずだ
色や歌や 波の寄せては返すいとなみも
だれかのためのものじゃなかったはずだ
黒も灰色も水もかなしみも
それぞれべつべつに落ちているだけの
それだけの
だれかのためのものじゃなかったはずだ
それぞれにうつくしく
だけど一様に手が届かない
きみが
わらうと
それなのにきみがわらうと全部が
きみのためにわらった
それぞれべつべつのものが
ばらばらに きれいに
いっせいに
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