アリアドネ/多紀
アリアドネは決意した
私も迷宮へ入ろう
何の為に!?
私は見棄てられた女
なのだ!!
だが行こう
もう何も怖くない
せめて…私が
私だけが
彼が生きた証人と
なるのだ
迷宮へ降りてゆく
彼の孤独が深くなる
私は何をしているのか!?
彼の死骸を抱きたいのか
怪物になった
彼に喰われたいのか
どちらでも良い
私が…私だけが
彼の生きた証人となるのだ
迷宮へ降りてゆく
彼の中心地へ
彼の魂は
果ても無い闇
こんなに寂しい場所に
独りぼっちで
あのひとは
居るのか
探しにゆこう
何も怖くない
ただ
見付けるのだ
彼の孤独と人生を
そして知るのだ
私の恋の末路を
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