いのちを使って/吉岡ペペロ
ひとの嫌なところばかり目につくようなときは
いつも体調の良くないときだった
窓ガラスに切り取られ
ビルから眺める
都会の光や影そのもの
そんなことはこんなところじゃないところでは
パラレル世界の瑣末なことだった
ぼくらは笑顔で生きていた
ぼくらは哀しみで生きていた
ぼくらは無関心で
ぼくらはお節介で
いのちを使って生きていた
ぼくらは哀しみで生きていた
ひとの嫌なところばかり目につくようなときは
いつも体調の良くないときだった
窓ガラスに切り取られ
ビルから眺める
都会の光や影そのもの
そんなことはこんなところじゃないところでは
パラレル世界の瑣末なことだった
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