思い出せないタイトルはきっと/TAROぱっく
 
使うことをしなければその繋がりさえしまいにはなくなり

目くらましのように薄い粉を振りかけて意識しなければ存在も

あるということは一冊のこの手触りで安心できる

遠く所縁の濃度を測りかねる誰かのつぶやき

明日また何が起こっても到底それは味わえないはずだった

誰かが送り出す行く先を決めないふらふらの礫

恋愛小説を違うものに代えてもっともらしく私はメガネを少し上げた

雪が降ること

雨が降ること

一瞬の風が吹いて君の体をぎゅっと縮こませて

ふと立ち止まること

歌わない音楽が聞こえる

記憶にとどめて影はそのまま

つじつまは合わなくてもそれは自身の形になって存在している

はずれを引き当ててそれでも笑う君に

どうしようもなくただ邪魔なものを与えて振り返ることはない

土の中に眠る探しあてられた後の古に思う

不機嫌にひび割れろ




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