七色の意図/ただのみきや
閑散とした海辺のペンションのように
広々と逸脱した時が迎えてくれるのなら
片手間に解いてみるのも良い
この絡まった七色の意図を
だが
雨の指で打たれ続けることばは嘘
夜を渡る目のない魚の見る夢は嘘
わたしは墓荒らしでしかなく
今宵も幽霊を追いかけているだけだ
愛ということばは雹のように降り
迷宮じみたロジック越しに
冷たい息だけが空白を埋め尽くしてゆく
だがそれはオセロのように裏返り
黒い文字となって囁くだろう
決して解けはしない
愛は心に寄生する生き物で
全てを喰らう魔物なのだ
一本の糸をも手繰ってはならない
時の狭間の難破船よ
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