ホッチキスでとめただけの簡単な詩集、でもそれを君は本と呼んで/
小原あき
あるだけの色を使った絵も
覚えたてを書き並べた字も
すべてきみの詩(うた)になる
一枚一枚
大切に束ねて
詩集はきっと
ベストセラー
表紙はきみの似顔絵
母さんが描いてあげる
世界で一つ
世界で一番の
きみの詩集は
ホッチキスでとめられているだけだけれど
きっときみは
どの本よりも大切にするはず
だって、
二度と書けない詩ばかり
それはきみが
一番わかっているはずだから
戻る
編
削
Point
(9)