心の旅/ぎへいじ
 
明日に何かが変わるそんな幼稚な占いをしてみたが

旅人、と言うにはあまりにも違和感を感じる
この翼
翔ぼうにも言葉が無い

昔、叱られた
送電線の一羽に孤独を感じてはいけないと
彼は孤独では無いのだ
生きるために そうして雨に打たれているのだから

何処で君は そんな孤独を覚えて来たのだと

私には もう旅する心が無いのかも知れない。


心に出来た血豆は潰れる事さえ許されずに皮膚の中をさまよい 無難な所の肉と皮の隙間で窮屈そうにしている

たとえば希望
たとえば…


時が癒してくれる
私にはそんなに時間が無いのだ
今すぐに 時間を追い越し先回りして確かめたい


動かぬ気持ちの痛々し足を引きずりながら
孤独のままで
まだ心の旅を続けている自分が、そこにいるのか どうなのか

今日も一日が終わろうとしている

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