日常の感覚/もっぷ
 
行方不明者たちの吹き溜まりに身を寄せて
風の声を聴いていた
あの日
この日

ふるえる 空に
差し伸べられる 幾千の手のひらを
知っている
覚えている

立ち寄っただけの ほんの
軽い気持ちは
許されず

ふいにわたしの腕も 何ものかに取られ
驚くほどの高速で 天に
向けられたこと

だけを
いのちの証しに遺し

どうやら


経ったみたいだった
数分



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