この指とまれ/
千波 一也
まじないめいた
隙間がすきです
ほほえみきれない
ほの明るさも
あしたはぼくを
待ちますか
おんなじ思いの
きみですか
危ういそぶりの
ゆるしがすきです
疎遠すぎない
よこがおも
名前はなくても
抱きしめられます
形がなくても
追いかけられます
約束は
ぼくを向きますか
きみの望みが
かさなるならば
この指とまれ、背中から
この指とまれ、音もなく
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