魂の血文字/yamadahifumi
 
白い空の果て

誰かが言葉を俺の身に降らせる

俺は閃光の光をもって、それに答え

詩神に忠実な僕(しもべ)たる事を示す

誰かが誰かの言葉を盗み

俺の言葉はお前の言葉だと主張するこんな世では

天使の戯れ言も悪魔の謹言も

どちらもテレビとネットのノイズに隠れて

詩人は自己の内部に沈黙する他ない

そんな中に、昔現れたきりの神がやってきて

また昔通りの霊験あらたかな金言をのたまうが

俺達、人間に耳は存せず 代わりに

隣の蛙と蝉が一鳴き鳴いて

俺達の魂の不在を歌った

今、俺の心は天上の父上の元にある

俺の親でも子でもない架
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