753/月乃助
 

もう その部落は

どこもかしこも 廃屋の群れで

蹴破られた雨戸の おくの闇に

置き去りにされた 悲しみの

諦めらしきものが うごめいていた

秋の透度をました 

清流の音

川底を染める 紅黄葉たちが

やってきた冬の 水のつめたさに

耐えています

目にするのは キジとアオサギ

ススキ野に 家の数ほどの古い 墓ばかり 

神楽月の吉日

晴れ着の子供たちの わらいごえ

街の神社は、

祝いに賑わう日 ??3

形而上学的な 記号の」ような

数字の羅列に 

解きあかす

何かの啓示を どこか遠く

イノシシを追う猟師の 犬の叫び声をききながら

さがす 







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