わたしバックします/たま
 
冬の玄関にはわたしにいちばん近い花を置くたとえば蒲公英

辿り着いた岬に根をおろして君は海をみていたね昨日も今日も

陽だまりを送ってくださいとあなたが言う十一月の蒲公英を送る

今年最後の夕日を見たからもう数えません眠れない夜は

今日のわたしは砂丘を運び終えた海のようにだらしなく時化る

呑みたいときに呑めばいいサンタさんのポケットウィスキー

美味しい缶コーヒーの呑み方はよく振ってから缶のまま呑む

空き缶の上手な捨て方は思いっ切り蹴飛ばして海に捨てる

空いたままはいやだからせめて塩水を詰めておいてください年の瀬は

夕日にいちばん近い海で恋をする五十男
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