壁紙/
はるな
るし
踊る手足があって
語る唇があり
涙する目があることに
ただ感謝をするのも
怠惰すぎるし
許してと言うほどには
犯していないとかんじるし
罪がないかと言えば
まったくそうでないし
座りこんだ床はつめたく
手のなかでアルコールが温まってゆき
アルコールのつめたさで手がひえてゆき
物事の輪郭が崩れゆくなかで
灰色の壁紙に
じっと
なにか意味をもとめる
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