伊達風人詩集『風の詩音』栞/葉leaf
 
プロセスを無化させるためのプロセス


 伊達風人とは同人誌「kader0d」(カデロート)を一緒に作った仲だ。伊達は無口な男だった。電話をしても余計なことは話さない。勢い私ばかりしゃべることになる。同人会でも穏やかに笑っているだけで積極的に話そうとはしなかった。同人会が終わった後、「伊達さん、もっと話してもよかったんですよ」と言うと、「みなさん知識のある方ばかりで…」と謙遜するのである。だが、私は、伊達はきっと、コミュニケーションなどと言う余分なプロセスを欲していなかったのだと思う。
 話し言葉と言うものは面倒だ。まず、相手に話しかけるのにも勇気が要ることが多いし、相手にいきなり話しかけ
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