なにかしなくちゃ/YASU
ポケットの中からちぢみあがったバーチャルを指ではじき
ちっぽけなしなびたバーチャルを強く強くはじき
僕の薄汚れた名前を書いた
やっとの思いで
人ごみに反逆を企てて立ち止まり
僕は僕の薄汚れた名前を書いた
「ありがとう」とか
「うれしい」とか
「素敵」とか
「大好き」とか
「付き合ってください」とか
「結婚してても私は構いません」とか
「私まだ男の人知らないんです」とか
「あなたに教えてほしいんです」とか
女子校生の幼い真っ直ぐな視線が
女子校生の幼くはない太ももが
僕をバーチャルに引き込むから
チャリンコころがして逃げたんだ
「なにかしなくちゃ」
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