あまおと。/元親 ミッド
ミが会話をするということ。
なのかもしれない。
雨音が、放送を終えた深夜のテレビのような
ノイズ音にもにた
懐かしいサウンドを聞かせる。
テレビのノイズ音を聞くと
泣いていた赤ん坊が泣きやむって知ってる?
と、言葉をキミにかえす僕。
え?そうなの?
と、キミは少しキョトンとしている。
テレビのノイズ音を聞くと
泣いていた赤ん坊が泣きやむのはね
赤ん坊が体内で聞いていた
母親の鼓動の音とよく似ているかららしいよ。
だからそれを聞くと赤ん坊は落ち着くんだって。
へぇ。そうなんだ!
会話の内容なんて、どうでもいいのかもしれない。
僕らはただ
こうして互いに言葉を発し
そうしてこころ通わせたいだけなのかもしれない。
あまおとを聞くのは、子供のころから好きだった。
キミの声を聞くのと同じくらいに
心安らぐからね。
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