オネエサンがきたら/美砂
 

いつもそのうち
アレがはじまる
アレがなにかはわからないが
アレは
どこまでもきこえているだろう
主人に連れて行ってもらったウミや
思い切り走れるコウエン
みるだけで引き返してきた、なにも知らない道のさきまで
だってアレは耳を開いて奥の奥へ
頭のほうによせてゆく
頭がみる ながれてゆく いつまでも散歩をするように

アレは
そんなにどうしたのというくらい
何重にもかさなって僕をおびやかしたかと思うと
とつぜんかるく
だれかの足音か
風とみまちがうほどに
せっきんしてくる
小さく飛び跳ねていたかと思うと
助走をつけてジャンプしたりする
遠くまであきれるく
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