現実は膨らむ/TAROぱっく
 
世界は膨張した

私の視界はせまくなる

細かな粒子の集合体は一つのきっかけで崩れ始めた

不用意な誰かの声の振動

『痛い』

と・・・・

そのまま紗のカーテンが何となく音を立てて

しゃごーしゃごー

眠たくなるようなまろやかなレンブラント光みたいに

しゃごーしゃごー

白いサングラスは音もなく

しゃごーしゃごー

私は一層息を潜めじっとしていた

ラジオの時報にすでに魅入られていて

現実の裂け目を見て眠くなる





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