未来の語り部/木の若芽
 
「未来の語り部」
           木の若芽

小さな草たちがかすかな声で歌い始めた
わたしも声に出すことを見つけよう
歌うこと語ることを 掘り起こし練り上げよう

肌を光で包んで風にさらし
足を空と結んで雲を歩み
この喜びを一人じめしたくない
押しつけたくもない
分かち合いたい
語り部の心技を会得するすべはどこに

今はたちまち過去になる
今は過去になりゆくもの
今はすみやかに未来になる
今は未来が入ってくるところ
未来のわたしは変わっていく
未来に起こることは創ることができる
今書く詩を未来に書く詩の糧にする

空には月がかかっている
屋根をつ
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