午前三時/
渡 ひろこ
若い時の姿だった
求める母親の印象だけが記憶に残るのだろうか いまはもうすっかり
萎びて 縮んで 小さくなって
いつの間にか、窓の外が白々と闇を追いやる
まんじりとしない夜明け
翌日慌ててケア・マネージャーに電話をした
「お母さんお元気ですよ」
責めぎ合ったものが一気に堰を切り、いつまでも嗚咽し続けた
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