お茶を薄める/ヨルノテガム
 







 黄色を暗がりで見ていると金色に輝く草原の満月だった 牛が骨を売って旅していく 寿司ネタは左からまぐろはまちサーモンの順で並び口穴へ消え失せたが 最後の紅しょうがの味がいつまでも残った 照らされた牛が売って歩いていく 青い湖の水も夜は暗く浮ついた 売っていく牛は白く向こうへ遠ざかって歩調も無く小さく、消えずに小さく距離をひらいた
 彼のカバンから記憶がこぼれ落ちる 彼はカバン色した、顔面に彼自身の記憶を貼り付けて居た・・・・・いつまでも残った、あの草原の中の葉の柔かいのを干して乾かし 雨で煮出した汗のような代物を口へ注ぎ込みたくなる、もうなっている 彼は産まれるとき
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