11月の海流は。/元親 ミッド
これほどまでにいるのかと
驚くほどたくさんのサンタクロースが
ぎゅうぎゅうに詰め込まれているのを私は知っている。
果たし状の場所の前を、無言で通過した後
暗い路地裏に入り込むと
自身も闇夜と同化する。
そこは街の深海だ。
そうして一軒のBARにたどりつき
静かに扉を開くと
ほの暗いながらも
居心地のよさげなカウンターが目に入る。
ホットラムでもいただきましょうか。
アイリッシュコーヒーか
カフェロワイヤルか
ホットのクライベイビーもいいね。
思い出したように
また、鼻先でくしゃみが誘爆し
ぞくぞくとする肩に、背中に、
冷気がかぎ爪のようにくいこんだままだった。
Please enjoy your drink !
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