逃亡者。/元親 ミッド
路肩に吹きだまる枯葉
新銅の輝きに縁取られた灰色の雲
ベランダに放置された色褪せたサンダル
つぎはぎだらけのアスファルト
遠くでたなびく商店の幟(のぼり)
そんな断片的映像をサブミナル効果で
脳内に焼きつけながら
僕らは、どこまでも逃亡し続ける。
追いかけられ 追いかけられる
どこまでも どこまで行っても
逃げる 逃げて
それでも
ついてくる 迫ってくる。
日々は、相も変わらず
その圧力を弱めることなく
僕らは、毎日追いかけられる。
“とりあえず”とい
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