ただの言葉/たまごボーロ
さよならと言ってみる。
何のことはない、ただの言葉だから。
それでも、さっきまでなんともなかった心が、
まるで鉄砲水のような
洪水のような
押し寄せる感情がとめどなく押し寄せてくる。
これでもか、これでもかとでも言うように、この空っぽの胸の内側から突き破るようにやってくる。
そして、気がついた頃には目から大粒の涙が溢れていた。
さよなら。
その言葉が何よりもこの胸に突き刺さって、
その意味を理解した。
サヨナラ。
何のことはない。
ただの言葉だから。
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