雨雲/はるな
 

すいぶんありふれた場所まできてしまった
ふりむけば怠惰に崩れた愛がみえる

いまや恋心は
あまい雨雲になって
なんとなくふたりを覆っている

雨がふれば
わたしもあなたも
木々も屋根も兎たちも
みなおなじかなしさで濡れよう
戻る   Point(3)