『架空の地上』/あおい満月
 

目を射る陽射しにたち眩んだ
現実という幻
幻という現実が
交差する交差点
相変わらず
左肘の傷は泣いている

太陽を睨む高層ビル群の反射熱に
よろめきながら辿り着くわたしの場所

**

静寂はどこにもない
いつも中心はゆれている
わたしには軸がない

相変わらず、
恋人は白線の外側を器用に歩く

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