サーモンデー・フェスティバル/夏美かをる
て
ちょっとネガティブな気分で歩いていたら
旦那のお姉さんに会った
「サーモンデー・フェスティバルは毎年必ず来てるから、
今年も来なくちゃ!って思ってね。You can't miss it, can you?」
自分に言い聞かせるように そう言った
お義姉さんのヘーゼル色の瞳が
午後の日差しに反射して
キラリと美しく光った瞬間
私の胸がキュン!と痛んだ
“今年もサーモンデー・フェスティバルに行かなくちゃ!”
その思いだけが、その日のお義姉さんの背中を押していたに違いない
初老のボーイフレンドと手をつないで
お義姉さんは去って行った
寄り添う後ろ姿
[次のページ]
戻る 編 削 Point(13)