サーモンデー・フェスティバル/夏美かをる
 

ちょっとネガティブな気分で歩いていたら
旦那のお姉さんに会った

「サーモンデー・フェスティバルは毎年必ず来てるから、
 今年も来なくちゃ!って思ってね。You can't miss it, can you?」

自分に言い聞かせるように そう言った
お義姉さんのヘーゼル色の瞳が 
午後の日差しに反射して
キラリと美しく光った瞬間
私の胸がキュン!と痛んだ

“今年もサーモンデー・フェスティバルに行かなくちゃ!”
その思いだけが、その日のお義姉さんの背中を押していたに違いない

初老のボーイフレンドと手をつないで
お義姉さんは去って行った

寄り添う後ろ姿
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