迷子と/柊 蒼衣
 
肌寒い夜

「此処は何処?」

手を伸ばしてみても闇
目を凝らしてみても闇

ひとり
取り残された僕に
星たちは微笑んではくれないらしい

視界がぼやける
それが涙のせいだなんて

冷たい雫でさえ僕を置いて落ちてゆく

「一人にしないで」
叫びにも似たその声

すると
誰かが

「もう大丈夫だよ」

上から降りかかる声
孤独な闇に溶けて
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