霧雨の声/マーブル
 


あおい呼吸
霧雨のようなあなたの声
か弱く柔に響く
真夜中の
アイロニーパズルピース
うめるように
東京の隅っこ
ゆめのなか
あなたは
居座っていた


陽のあたる
コスモスのはなうたは
素足で
還る
叶わなかった
まぼろしのように
七色の観覧車は
まわる


勝手気ままなぼくを
よこぎってゆく
夜風にくちづけして
10月のおわりを
眺めていた
まだやさしい
冷たさで
頬を冷す


座り込んでいた
想い出は
すこし離れた
ベンチで
寝息をたてているけど
さよならは
か細くて
柔で
勝手気ままにあなたは
現れてしまうんだ



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