twitter/葉leaf
幼いころの幸福な季節に帰りたいと あの人とうまく行っていた頃に帰りたいと 先生方に守られていた頃に帰りたいと それらすべての過去はもう死んだのだと 絶望的に死んだのだと なぜ諦められないのか 過去は共同体の一部であっても もう空気中に散乱した でも僕として生き続けるのは淋しい
戦場で敵の兵士を殺しました と詩で書いても 死ぬのは虚構の兵士だけ だが本当は自分の中の何かを殺しているし 自分の中の何かは死んでいる 例えばそれは 午前の冷たい光にあふれた山岳の紅葉の記憶かもしれないし 夢で見た自分を追いかけてくる怪物かもしれない そして未来の自分も殺している
まず幸福をゆるし 次は殺人をゆる
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)