手錠とその因果/MOJO
鎮痛剤が効いているうちは問題がなかろうと放っておいた。しかしある深夜、それが猛烈に痛みだした。手持ちの鎮痛剤を全て服用しても一向に痛みが引かない。絶え難い痛みに私は決心して救急車を呼んだ。
とある大学病院の口腔科に運ばれて緊急治療を受け、帰宅して鏡を見ると、片頬が口内にピンポン球を含んだように腫れていた。以来数週間、食事は豆腐や素麺等の歯に負担がかからぬものしか口にできず、気がつくと体重が五キロ減っていた。
そこでスイッチがオンになってしまった。その日以来私ははほうれん草や小松菜等の緑黄色野中心の食事に切り替えた。穀物は一切摂らず、空腹感は春雨やところてんで凌いだ。就寝まえに運動を始め、当
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