Bless/
塔野夏子
君のきれいな手が
思いがけない角度から
あざやかな深みをさぐり当てるのを
僕は見ていた
遠い昔から
数多の吟遊詩人たちが
僕の胸へと歌いついできたのは
きっと君のことだったんだ
この手に
わずかでも明かりがあるのならば
君のためにかかげよう
それを君が知ることはないとしても
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