いまだにどしゃ降りみたいな夜/ホロウ・シカエルボク
 



雨など降っていないのに
どしゃ降りみたいな夜だ
冷えた心が苛立って
手元に割れた息を吐く
あなたの心まで
届くはずだったベル
今は部屋の隅で
小さくなって転がっている
いくつもの言葉を吐き出して
それが、全部
無駄うちのようなものだと思ってた時間
本当に飛ばしたいことは
ポケットの中でなくなってしまっていた
それは探すこともきっとかなわないものなのだ
郵便配達人みたいな足音で真夜中に誰かが訪ねてくる
ノックされるドアを開けようという気持ちにはならない
飲んだくれてくしゃくしゃに座っている
ロック・シンガーがラジオでシャウトしている
ロックンロールなん
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